来院のきっかけ
別件の治療の際点滴を実施した後に、針の穿刺部位から皮下出血を広範囲におこし、ふらつきなどの貧血症状を呈し来院されました。
犬の血友病は、血液が固まるのを助ける凝固因子が先天的に不足する遺伝性の病気で、血が止まりにくくなり、関節内や筋肉内、体内で出血しやすくなる病気です。主に雄犬で発症し、血友病A(第Ⅷ因子)と血友病B(第Ⅸ因子)があります。出血が深刻化すると命に関わることもありますが、適切な輸血や管理で対応できます。
別件の治療の際点滴を実施した後に、針の穿刺部位から皮下出血を広範囲におこし、ふらつきなどの貧血症状を呈し来院されました。
可視粘膜蒼白、背中から腹部にかけて広範囲に皮下出血、皮下点滴実施部位に血腫を疑う腫瘤がみられました。血液検査では重度貧血、APTT延長を認めました。
貧血がひどかったので濃厚赤血球と新鮮凍結血漿の輸血を実施しました。輸血後からは出血は治まり、貧血の悪化も認められなかったため退院としました。
犬の凝固因子活性は人とは異なるので専門の検査機関での検査が望ましく、今回は大学病院に検体を送り検査していただきました。検査の結果、第Ⅷ因子の凝固活性が著しく低下しており血友病Aとの診断でした。
現在はケガなどに気を付けながら普通に生活してもらっています。